人間失格 感想
先日に期間限定カバーの人間失格を買い、読み進めていました。
カバーは新潮文庫の限定物で、真っ黒です。他の作品は「こころ (夏目漱石)」や「江戸川乱歩名作選」などがあり、とてもカラフルなので思わずカバー買いをしてしまいそうになります。
割と前から新潮文庫の100冊というイベントをしていて、以前に読んだことのある「スクールカースト殺人教室」や「博士の愛した数式」なども含まれていました。テンションが上がるだけじゃなく、読みたい本、興味が湧いた本がたくさんありました。ぜひ、読んでみてください。
本の内容は「はしがき」「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」「あとがき」で構成されていて、「はしがき」と「あとがき」は第一から第三の手記とは別の人物の視点で描かれています。
そして、第一から第三の手記がこの作品の主人公、葉蔵です。この葉蔵こそ、作者である太宰治でもあるのです。
内容を少し紹介したいところですが、割愛させていただきます。(文字で紹介するには内容がこすぎてしまうのです。)
感想
さて、人間失格の感想ですが、カバーが真っ黒なように内容も真っ黒でした。長く真っ暗なトンネルをずっと歩いてる気分でした。読んでいる時期が時期なら僕も作品に飲み込まれ影響を受けていたと思います。
この本の好きなスレーズを紹介していきます。
①女がどんな気持ちで生きているのかを考える事は、ミミズの思いをさぐるよりも、ややこしく、わずらわしく、薄気味悪いもの
とにかく、葉蔵は女にモテます。惚れられるのです。そして、女の家を転々として生活していくんですね。
僕は決して女性にモテませんが、女性の気持ちは本当に分からないのです。それこそ他の動物の気持ちを考えた方がまだ分かるのではないかという程です。
とは言っても、女性からした男性も同じようなものかもしれませんが。しかし、男というものはとてもシンプルな生き物だと考えています。
②互いに軽蔑しながら付き合い、そうして互いに自らをくだらなくしていく、それがこの世の所謂「交友」ならば…
僕、とても友達が少ないです。互いを高め合う友達でなければ必要ないと考えています。
そのため、自分が友達について誰かに話すときは、このフレーズを引用させて頂こうと思います。
③神に問う 信頼は罪なりや
このフレーズ、人間失格という作品のコアになるところだと僕は考えています。
神様、信じることは罪ですか?
何を信じればいいですか?
葉蔵の妻であるヨシ子は無垢の信頼心という可憐なものを持っていました。
人を疑うことを知らないのです。
しかし、それが原因で、つまらない男に犯されてしまうのです。
人を信頼しないで生きても、人を信頼して生きても、どちらにしても苦しく生きていくことになる。
では、どうしたら良いのか?
何を信じればいいのか?
これは、日本人の無宗教という問題にも触れていると思われます。
文学を読んで、何を感じるかは人それぞれです。僕の力では、これ程度しか感じることができませんでした。この作品を読んで何をどう感じ、捉えたかを教えていただけると、幸いです。